小沢征爾とベルリンフィル
小沢征爾とベルリンフィルと席のぬし達まるで、魔法。
そう、ミッキーマウスの魔法使いの様な。
なめらかなで、それでいて力強くダイナミックな指揮。
さらに、そこは世界の小澤。タクトを持たない。素手で振る。
両手のひらで、全身で次々に合図を送る。
演者も聴者も、陶酔の世界へとつれていく。
ふと、思った。
ある時から、今まで夢の世界だったあのディズニーランドが、突然私にとって色褪せて日焼けしたただの修繕不足のテーマパークにしか映らなくなる日が来てしまった。
もう、白昼夢のような入り込む世界には何年も出会ってはおらず、その楽しさを忘れかけているとこだった。
しかし、ここに来て夢の世界にひょっこりとバッタリ出会った。
次に、全くの夢の世界へと覚めながらにも私を連れてってくれるのは、クラシックのコンサートだったりするのかもしれない。
これは、大人の夢の世界と言えるかもしれない。
彼の指揮にオーケストラは鳴り。私もありのままに動き出す。
買ったチケットは、当日販売のたった10オイロの立ち見席。
チケットにある、指定の場所は上の上の、まだ上のそのまた上のブース。何度か「まだ、うえー?」と言う。
その、ホールで一番高い場所はヒー。
「オーケストラ小さっ」でヒー、「転げおつる想像が簡単につく急な階段怖っ」でヒー。
なによりさ、立ちっぱでクラッシクなんて聞けんのかい?
まるで、地球温暖化で溶け出した流氷のようにオーケストラからはるか離れてしまいフラフラしてる自分達の席を確認後、早速行動開始す。
もうすぐ開演なのですよ。今、とてもよく席を見渡すのです。
チケットは全部売れてるのにね、やっぱ空席はあるもので。遅れていっらしゃるにしても、
ちょうどホールの真ん中辺りの高さにガツっと席が空いてるー!そこに、サッと移動してガツっと座る私達。
いよいよ、開演しても席のぬし達は現れない。日本勢、陣取り成功。ちょっと、小さいけど小澤さんの表情やオケーストラの人達もよく見えるいい席。
ぐいぐい、前半の夢中な時間を過ごして休憩。
その時本来のぬしが来た、「残念!」と私達に声をかけてくれる。なんか、気さく。
くじけない私達は、休憩開けの後半を更にオーケストラに近い場所へと下に降りて狙う。
見えた!そこだ、座る。開演1分前。
30秒前、またもや席のぬし来たる。笑顔で斜め前の空席を指しながら「そっちなら、前半から誰も座ってなかったわよ。」親切。
てか、こっちの席の方がオーケストラ近いジャーン。
これが日本だったら、自分のチケットの席のにいる人にどいてもらう時、言う方も言われる方もちょっと不機嫌に・・というシーンをよく見かける。だから、このベルリンフィルでの明るく親切な席のぬし達の感覚に感動。
そう、日本人(in東京)は公共の場で声をかけあう仕草を忘れてしまった。
声を、掛ける前に瞬間、猛想しすぎていて自分の中で振り切ってから声を掛ける。だから、もうすでに不愉快。
お互いに、赤の他人との話し方を忘れてしまった。誰もが、いちゃもん人で、ストーカーで、詐欺師で、痴漢で、殺人鬼で、怖い人という情報を(ニュースなど)受け取りすぎてもいるし。好んで、見すぎてもいる。あんなもの、もうstop!悪循環。
もっかい、知らん人にも笑顔という心を少しあけておく事が出来たらいい。
2007. 05
Berlin Phil
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